本当にあった毒親の話(5)家族ごっこ

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唯一のママ友と、愉しく呑んだらしい夜の出来事

妹を亡くし、泣き暮らしていた母を

心配してくれる人もいました。

そう思うと、彼女もあながち孤独ではなかったのかも…。

母は酒に弱く、顔を真っ赤にして

机や床に突っ伏して寝てしまうことがありました。

当時住んでいた一戸建てのある田舎では

ママ友が一人いて、

家族ぐるみで付き合いがありました。

妹の病院へ付き添いで母が泊まるときも

兄と二人預かってくれていた、あのママ友です。

べろべろに酔った母は、ママ友の旦那さんに

担がれて来て

そのまま玄関で寝てしまいました。

私は寝室から毛布を持ってきて

母にかけましたが

兄は普段口うるさい母を

快く思っていないようで

「そんなの放っておけ」

と一人で先に寝てしまうのです。

「かわいそうなお母さん」─そんな気持ちが芽生え始めていた

今でこそ、ヒスで躁鬱のような状態だった母のことや

家族にされてきたことを

別人の記憶」のように切り離して俯瞰することができますが

こうして毒親漫画を作成するにあたって、

脇から冷たい汗が滴ることがあります。

この歳になっても、

完全には癒えない過去。

当時を振り返ってみますと

ひたすらに母のことを

「かわいそう」だと思っていました。

家を出るまで、ずっと。

何に対するかわいそうなのかは

よく分かりません。

母の苦しみや寂しさを

肌に感じ、共鳴してしまっていたのかも。

今も、母のことをかわいそうだと思っています。

「自分可愛さが大きくて

かわいそうな人」

という意味で。

同情するのも忌々しいと

はらわたが煮えくり返ったことや

愛されたくてやるせなかったことも

あります。

こんな親でも。

それは、これを読んでいる

あなたが一番分かるのではないでしょうか。

第6話につづく