唯一のママ友と、愉しく呑んだらしい夜の出来事
妹を亡くし、泣き暮らしていた母を
心配してくれる人もいました。
そう思うと、彼女もあながち孤独ではなかったのかも…。
母は酒に弱く、顔を真っ赤にして
机や床に突っ伏して寝てしまうことがありました。
当時住んでいた一戸建てのある田舎では
ママ友が一人いて、
家族ぐるみで付き合いがありました。
妹の病院へ付き添いで母が泊まるときも
兄と二人預かってくれていた、あのママ友です。
べろべろに酔った母は、ママ友の旦那さんに
担がれて来て
そのまま玄関で寝てしまいました。
私は寝室から毛布を持ってきて
母にかけましたが
兄は普段口うるさい母を
快く思っていないようで
「そんなの放っておけ」
と一人で先に寝てしまうのです。
「かわいそうなお母さん」─そんな気持ちが芽生え始めていた
今でこそ、ヒスで躁鬱のような状態だった母のことや
家族にされてきたことを
「別人の記憶」のように切り離して俯瞰することができますが
こうして毒親漫画を作成するにあたって、
脇から冷たい汗が滴ることがあります。
この歳になっても、
完全には癒えない過去。
当時を振り返ってみますと
何に対するかわいそうなのかは
よく分かりません。
母の苦しみや寂しさを
肌に感じ、共鳴してしまっていたのかも。
今も、母のことをかわいそうだと思っています。
「自分可愛さが大きくて
かわいそうな人」
という意味で。
同情するのも忌々しいと
はらわたが煮えくり返ったことや
愛されたくてやるせなかったことも
あります。
こんな親でも。
それは、これを読んでいる
あなたが一番分かるのではないでしょうか。
第6話につづく
コメント
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